ネットショップで売るオリジナル商品の作り方|OEMを使うってどういうこと?

ECサイトの始め方

ECや商品ビジネスをしているとよく聞く【OEM】とは、オリジナル商品を作るときの生産方式です。
それぞれの意味と違いを、初心者向けにわかりやすく解説しますね。OEMとは?

OEM(Original Equipment Manufacturer)とは?

OEM(オーイーエム)とは自社ブランドで販売するために、他社に製造だけを依頼する方法です。

デザインや商品案などは自身で考え、設計図をもとに業者に商品を作り上げてもらいます。

✔ 特徴

  • あなたが「商品企画やデザイン」を考える
  • メーカーが「それを製造」する
  • ブランド名はあなた(自社)

✔ 例

  • 自分で考えたロゴ付きのマグカップを中国メーカーに作ってもらう
  • スキンケア商品の成分や容器を指定し、製造だけ任せる

メリット・デメリット

メリットデメリット
オリジナリティが出せるある程度の知識・設計が必要
ブランド化しやすい最低ロットが多めなことも

OEM商品を作って販売するまでの8ステップ

ステップ内容補足
① 市場調査どんな商品が売れているか、競合、価格帯などを調査Amazon、楽天、メルカリ、Googleトレンドなどを活用
② 商品コンセプト設計どんな人に、どんな価値を届けるかを明確にするペルソナ設計、使用シーン、悩み解決など
③ OEMメーカー探し国内・海外の製造業者を探すAlibaba、NETSEA、国内OEM企業など
④ サンプル発注・検品試作品を取り寄せ、品質をチェックロゴやパッケージも一緒に確認
⑤ 製造契約・発注問題なければ、正式に発注MOQ(最小ロット)や納期、費用を事前確認
⑥ ECサイト構築・販売商品ページを作成し、自社ECで販売準備BASE、Shopify、STORESなどがおすすめ

① 市場調査

大手のECプラットフォーム(楽天、Amazon、メルカリ)などで市場の調査を行いましょう。

ニーズがありそうな商品ジャンルを絞り、どのような商品を作るかのアタリをつけましょう。

② 商品コンセプト設計

OEMやECビジネスで成功するカギは、まさに②商品コンセプト設計にあります。

ここをしっかり作り込むことで、売れる商品に育てる土台ができます。

商品コンセプト設計でやること【5ステップ】

ステップ内容ポイント
1. ターゲット(誰に)どんな人に買ってほしいかを明確にする年齢・性別・趣味・ライフスタイルなど
2. ニーズ・悩み(何のために)その人が抱える問題・欲求を見つける「不満・不便・願望」に注目
3. ベネフィット(どう良くなるか)商品を使ったことで得られるメリット感情的な変化も大事(安心・満足・共感)
4. 競合との差別化(なぜ買う?)他とどう違うかを明確にするデザイン・成分・機能・価格などで比較
5. ストーリー化(背景や想い)ブランドの想いや開発背景を言語化するSNSや商品ページで共感を得る武器に

例:ハンドクリームをOEMで作る場合

設計項目
ターゲット30代後半の働く女性。手荒れに悩むが、香りにもこだわりたい人
ニーズハンドケアはしたいけど、薬っぽい匂いはイヤ。デスクに置いておしゃれなものがいい
ベネフィット仕事中でも癒される香り。見た目も可愛くてテンションが上がる。手もしっとり保湿
差別化パッケージデザインがおしゃれ&香りの種類が豊富。無添加処方で敏感肌にも優しい
ストーリー「忙しい女性が、ふと手元で癒される時間を」そんな想いから生まれたブランドです

コンセプト設計シート(テンプレ)

以下のようにメモしながら進めると整理しやすいですよ。

項目記入例
ターゲット30代の主婦/共働き/SNSで商品を選ぶ人
悩み・ニーズ子どもの送り迎えで日焼けが気になる。だけど時短ケアがしたい
商品で解決できること日焼け止め+美容液成分でスキンケアが1本に
競合と違うところノンケミカル&低刺激なのにサラッと仕上がる
ブランドの想い子育て中でも「自分らしさ」を大切にしてほしいから

③ OEMメーカー探し

OEMを行ってくれるメーカーを探します。

ココナラ・クラウドワークスで個人を探せば、OEMのデザインを行ってくれる人を見つけることができるでしょう。

メーカーに商品をどこまで制作可能か問い合わせて詳細を詰めていきましょう。

サイト名特徴
ココナラクラウドワークス国内OEMデザイナーを探すのに便利
NETSEAやスーパーデリバリー既製品もあるが、一部OEM対応業者あり
国内OEM専門会社(化粧品、食品など)小ロット対応の相談も可

ジャンル別:おすすめOEMメーカー一覧(国内)

ジャンル会社名特徴サイト
【化粧品・スキンケア系】OEMコスメ.com(株式会社ベル・アドワイズ)小ロット100個〜対応。薬機法対応やデザイン支援もhttps://www.oemcosme.com/
コスメディ製薬株式会社美容液・ジェル・化粧水など豊富。自社開発力ありhttps://www.cosmed-pharma.co.jp/
天真堂(てんしんどう)美容サプリ・ドリンク・化粧品もOK。D2C向きhttps://www.tenshindo.ne.jp/
【雑貨・アパレル・布製品】ミヤモリ(アパレルOEM)オリジナルTシャツ・バッグなど幅広く対応https://miyamori.biz/
NIKKE(ニッケグループ)ファッション・ユニフォーム・アウトドア系など実績多数https://www.nikke.co.jp/
Conoca(布小物OEM)小ロット可。ガーゼ・リネンなど天然素材に強いhttps://conoca.jp/
【生活雑貨・グッズ・ノベルティ】OEM-PARK(株式会社イズミ)雑貨・生活用品・ノベルティの企画〜量産までhttps://www.oem-park.com/
グッズマスター(雑貨OEM)マグカップ、キーホルダーなど多数ジャンル対応https://goods-master.jp/
パックスタイル食品容器OEMに強く、エコ素材も対応https://www.packstyle.jp/oem/

メーカーへの問い合わせテンプレ(例)

はじめまして。
オリジナル商品をネット販売したいと考えており、OEMの相談をさせていただきたくご連絡しました。

〇〇のような商品を、できれば〇〇個から試作・製造できればと思っています。

以下のような点について情報をいただけますと幸いです:

  • 最小ロット数
  • 料金・サンプル作成の可否
  • パッケージ対応の有無

どうぞよろしくお願いいたします。

④ サンプル発注・検品

サンプル発注・検品の流れは以下です。

ステップ内容ポイント
① 試作の相談OEMメーカーに「こういう商品を作りたい」と相談商品仕様・ロゴ・数量・納期などを明確に
② 見積もり・試作依頼試作費用と納期を確認し、正式に試作を依頼有料のことが多い(1,000~10,000円程度)
③ サンプル受け取り自宅 or 指定住所に届く梱包状態や納期通りかもチェック
④ 検品・テスト使用実際に使ってみて品質・使い勝手・外観などを検証自分+他人にも使ってもらうと安心
⑤ 修正点のフィードバック気になる部分をメーカーに伝えて修正相談香り・色・ロゴの位置など
⑥ 再試作(必要に応じて)1回目でOKなら発注へ/微調整が必要なら再試作無料 or 再度費用がかかることも

検品でチェックすべきポイント

  • 最初のサンプルで妥協しない
    → 量産後のトラブル防止のため、納得いくまで改善依頼を。
  • 比較のために複数業者にサンプル依頼
    → 同じ商品でも品質・対応力に差が出ます。
  • 開封から使用まで全部チェック
    → お客様目線でレビューを書くつもりで見てみましょう!
チェック項目内容
外観傷・汚れ・歪みがないか、見た目がイメージ通りか
サイズ・形状指定通りの寸法・形状になっているか
色・印刷色味がズレていないか、ロゴが正しく印刷されているか
機能実際に使ってみて、正常に動作するか
香り・質感(化粧品系)香りがきつすぎないか、肌に合うか
パッケージ箱・袋・ラベルの印刷や素材、封の仕方などを確認

⑤ 製造契約・発注

発注サンプルで商品を確認し、満足いく仕上がりになれば、いよいよ製造契約を結び、発注を行います。

ここでの取り決めが曖昧だと、納期遅れ・品質トラブル・費用の増加など、後々大きな問題につながることも…。きっちりと詳細を擦り合わせておきましょう。

製造契約・発注の流れ【7ステップ】

ステップ内容ポイント
① 最終仕様の確定サンプルを元に「これで量産してOK」という合意を取る成分・素材・デザイン・パッケージすべて明文化
② 製造費用・条件の確認単価、ロット数、合計金額、支払い方法などを確認納期・送料・支払いタイミングもチェック
③ 製造スケジュールの確認製造開始から納品までの期間をスケジュール化遅延リスクに備えてクッション期間を確保
④ 契約書または発注書の作成契約書または発注書で双方の条件を明文化口頭ではなく必ず書面かメール記録を残す
⑤ 入金(前金・一部・全額)支払い条件に応じて入金を行う多くのOEMメーカーは「前金制」が多い(30~100%)
⑥ 製造開始入金確認後、製造スタート中間報告があれば、写真で状況を共有してもらうと安心
⑦ 出荷・納品工場から商品が発送され、手元に届く受取後は検品を忘れずに!問題があれば即報告
発注書の具体例
発注書

宛先:株式会社〇〇〇〇 様

以下の通り商品を発注いたします。

商品名:ラベンダーアロマハンドクリーム
仕様:50g/パラベンフリー/白ボトルに金ロゴ印刷
数量:300個
単価:480円(税別)
合計金額:144,000円(税別)
納期:20XX年XX月XX日まで
支払方法:前金100%、銀行振込
不良品対応:納品後7日以内の返品交換対応

発注者:〇〇〇〇(屋号・住所・連絡先)
発注日:20XX年XX月XX日

⑥ ECサイト構築・販売

商品の準備が整ったところで、ECサイトを立ち上げていきましょう。

最前は、商品の準備とECサイトを構築を並行で行うことです。

商品の依頼を行いつつECサイトの順も進めて行ければなお良しです。

以下にECサイトの構築方法について細かく書いています。

初心者でもわかるECサイトの始め方ガイド|手順に沿ってネットショップ開設
「ネットショップを始めてみたい」と思っても、実際に何から手をつければいいのかわからずに手が止まってしまう方は多いはずで...

OEMの具体例:オリジナル入浴剤をOEMで作る場合

ステップやること
市場調査「入浴剤 ギフト」「温活」などのキーワードで調査。レビューからニーズを把握
コンセプト「忙しい30代女性向け。香りで癒される自然派入浴剤」
OEM探し国内の化粧品OEM会社を検索。小ロットOKな業者に問い合わせ
サンプルラベンダー系・柚子系など試作を比較し、香りや溶け方を確認
製造契約入浴剤300個、納期45日、1個単価250円で契約
ECサイトShopifyでショップ開設、商品写真&説明文を作成
集客Instagramで「#入浴剤ギフト」「#温活女子」などで投稿
発送自分で梱包&発送。オリジナルシールやメッセージカードも同封

まとめ:OEM販売はこんな人におすすめ

OEM販売の最大の特徴は、既製品を仕入れて売るのではなく、自身で考えた商品を制作・販売できることです。

商品販売までの道のりが仕入れ販売よりも長い分、自分の考えた商品を販売することができるので、以下のような人にはおすすめの販売方法です。

  1. 自分のブランド商品を作って販売したい人
  2. ネットショップで長期的にビジネスをしたい人
  3. 差別化された商品で価格競争を避けたい人