越境ECの返品対応どうする?リスクと対策について

越境EC

「海外から注文が入ったのはいいけど、もし返品されたらどうしよう…」
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?

越境ECにおいて返品対応は大きな課題のひとつ。
特に国をまたぐと、送料や関税、法律の違いなどが絡んでくるため、国内EC以上に慎重な対応が必要です。

この記事では、越境ECにおける返品対応の基本と、トラブルを避けるための対策について初心者にもわかりやすく解説します。


なぜ返品対応が越境ECで難しいのか?

越境ECにおいて返品対応が難しくなる理由は、主に以下の3点です:

1. 送料・関税が高い

返品送料が高額になるほか、返送品にも関税がかかる場合があります。
特にEMSや国際宅配便を使った場合、片道で数千円以上になることも。

2. 消費者保護法が国によって異なる

EUなどでは、返品の権利(クーリングオフ)を法律で義務化している地域もあります。
日本の感覚で「返品不可」としていると、現地の法律に違反するリスクも。

3. 商品状態の確認が難しい

海外から返送される商品は、破損・紛失・すり替えなどのリスクがあります。
輸送中に問題が起きても、責任の所在があいまいになりがちです。


返品トラブルのよくある例

  • 「届いた商品が壊れていた」と言われたが、写真がない
  • 関税が請求されたとクレームが入る(※返品時の再課税)
  • 商品を使ってから返品される(EUでの典型的事例)
  • 偽物とすり替えられて返送される

越境ECの返品対応、どう備える?

対策1:返品ポリシーを明確に表示する

まず基本は「返品ポリシーの明記」。
英語など多言語で、以下の内容をしっかり記載しましょう:

  • 返品の可否(Not returnable など)
  • 返品可能な期間(例:商品到着後14日以内)
  • 条件(未開封・未使用など)
  • 送料や関税は誰が負担するか

例文(英語):

We accept returns within 14 days of delivery.  
Items must be unused and in their original packaging.
Return shipping costs are the buyer’s responsibility.
Customs duties paid are non-refundable.

対策2:返品用の現地拠点を設ける

もし販売ボリュームが大きくなれば、現地に返品受付用の倉庫や代理店を置くのも効果的です。
たとえばアメリカ市場であれば、現地フルフィルメントサービスの返品支援を活用するなど。

対策3:写真や開封動画を依頼

「破損していた」「違うものが届いた」と言われた場合に備え、
梱包時の記録や、顧客からの開封動画・写真の提供をお願いしておくと安心です。

対策4:返品不可の商品を明示

以下のような商品は、原則として返品不可(Non-returnable)としておくのが一般的です:

  • 食品・化粧品・開封済みの衛生商品
  • オーダーメイド品・セール品

おすすめの英語フレーズ集(返品対応)

日本語英語表現
返品をご希望ですか?Would you like to request a return?
返品には条件がありますOur return policy has specific conditions.
商品は未使用の状態でお願いしますItems must be unused and in original condition.
返送料はご負担いただきますReturn shipping cost will be borne by the customer.

まとめ:返品ルールは「売る前」に整えておこう

返品トラブルの多くは、「事前の説明不足」によって起こります。
だからこそ、売る前に返品ルールを整備し、しっかり告知することが最重要

返品ポリシーを準備しておけば、クレーム時の対応もスムーズになります。
越境ECでは「売る力」だけでなく、「守る力」も必要です。