EU販売で必須のGDPR対応とCEマーク

越境EC

「EUに向けて越境ECを始めたいけど、GDPRやCEマークってなに?」
EU圏で商品を販売するには、日本とは異なる厳格な法律やルールに対応する必要があります。特に知っておきたいのが「GDPR(一般データ保護規則)」と「CEマーク」の2つ。

この記事では、初心者にもわかりやすく、それぞれの概要や対応方法を解説します。

なぜGDPRやCEマークの対応が必要なのか?

EUは、消費者保護や安全基準への意識が非常に高い地域です。
日本から商品を販売する場合でも、「EUの法律に従うこと」が求められます。
違反した場合、高額な罰金や販売停止など、ビジネスに大きなリスクが生じる可能性もあります。

GDPR(一般データ保護規則)とは?

GDPRの概要

GDPRは、EU居住者の個人情報を保護するための法律です。
対象は、EU圏内のユーザーから個人データを収集・処理するすべての事業者(日本企業含む)であり、以下のような場面で関係します。

  • 商品購入時の氏名・住所・メールアドレスの取得
  • クッキー情報の取得(アクセス解析や広告など)
  • メルマガの配信やリターゲティング広告の利用

必須対応事項

対応項目内容
Cookie同意の取得サイト訪問時にバナーなどで明示的な同意が必要
プライバシーポリシーの整備GDPR対応の内容を記載(利用目的、第三者提供、保存期間など)
個人データの開示・削除請求対応EUユーザーから請求があった場合に速やかに対応
メルマガ配信のダブルオプトイン「本人が申し込んだことを2段階で確認」する仕組みが必要

Shopifyでの対応方法

Shopifyは越境ECの世界トップシェアのプラットフォームです。

GDPRはデフォルト機能として備わっているので、ShopifyでECサイトを構築すれば、スムーズに越境ECを立ち上げることでができます。

CEマークとは?

CEマークの概要

CEマークは、「EU基準の安全性・性能・健康保護に適合していることを証明するマーク」です。
主に電気製品・玩具・医療機器・化粧品・測定機器などが対象です。

CEマークが必要な理由

CEマークがない製品は、EUに輸入・販売することが禁止されています。
製品に問題があると見なされれば、販売差し止めやリコール命令が下されることも。

✅ CEマーク取得の流れ(簡略)

  1. 該当するEU指令の特定
  2. 適合性評価手続きの実施
  3. 技術文書(Technical File)の作成
  4. CEマークを製品に表示
  5. EU代表者(Authorized Representative)の任命(EU域外の事業者の場合)

※一部製品は「第三者認証機関(Notified Body)」による審査が必要。

どんな商品が対象になる?

商品カテゴリGDPR対応CEマーク必要
洋服・アクセサリー✔(個人情報取得)
電子機器
玩具・ベビー用品
食品❌(別途食品表示基準あり)
ハンドメイド雑貨製品による(電気部品含む場合など)

EUで食品を販売する際に注意すべき法律・規制一覧

規制名概要対象商品例
EU食品表示規則(Food Information to Consumers Regulation / FIC)消費者に対して正確かつ明確な食品情報を提供するための義務。原材料・アレルゲン・賞味期限などの表示が必須加工食品・菓子・調味料など
EUオーガニック規則(EU Organic Regulation)オーガニックと表示するにはEUの有機認証を受ける必要あり有機野菜・オーガニック加工食品など
栄養・健康表示規則(Nutrition and Health Claims Regulation)「糖質オフ」「脂肪ゼロ」などの表示は科学的根拠に基づく必要あり健康食品、サプリメントなど
新規食品規則(Novel Food Regulation)1997年以前にEUで一般的に消費されていなかった食品は、事前に審査・承認が必要昆虫食、スーパーフードなど
食品接触素材規制(Food Contact Materials Regulation)包装や容器に使う素材にも安全基準ありプラスチック容器、食品パッケージなど

特に注意したいポイント

  • 日本語ラベルでは不可:EU向けには、現地の言語でラベル表示(英語、ドイツ語、フランス語など)が必要です。
  • アレルゲンの明記:ナッツ、グルテン、乳製品など、EU指定のアレルゲン14品目の明記が必須。
  • 輸出前の成分チェック:日本で「健康に良い」とされる原料でも、EUで禁止されている成分が含まれていることがあります。

EU向け食品販売時におすすめの対策

  • 現地パートナーとの連携:現地の法律に詳しいディストリビューターやコンサル会社と提携すると安心。
  • 翻訳&ラベル作成専門業者の活用:誤訳によるトラブルを避けるため、専門業者にラベルやパッケージの翻訳を依頼する。
  • 商品ジャンルごとの規制を個別に確認:お茶、菓子、調味料など、カテゴリ別に異なる規制があるため、個別にチェックを。

まとめ

EUへの販売を目指す場合、「GDPR」と「CEマーク」は避けて通れない重要な要素です。
販売後のトラブルを防ぎ、顧客からの信頼を得るためにも、法令対応は万全にしておきましょう。

Shopifyを使えば、GDPR対応もアプリで比較的スムーズに対応可能です。
一方、CEマーク取得は専門的な対応が必要なので、まずは対象商品の把握と必要性の確認から始めるのがおすすめです。