「韓国向けに雑貨や電化製品を販売したいけど、どんな法律に注意すればいい?」
韓国で越境ECを展開する際、製品安全と消費者保護は最重要ポイントです。
特に押さえておきたいのが「KCマーク」と「電子商取引における返品・返金義務」です。
① KCマーク(韓国製品安全マーク)
KCマークとは?
韓国のKATS(韓国技術標準院)が管理する製品安全・品質基準の認証マークです。
対象商品は電化製品/家庭用品/子ども向け製品で、認証なしでは輸入・販売できません。
KCマークについて、取得手順については政府がまとめてくれているので、以下に詳しく書いてあります。
What is KC Certification for South Korea?(韓国のKC認証とは)
主な対象商品例
- 電子機器:充電器・照明・家電など
- 家庭用品:圧力鍋・ヘルメット・掃除機
- 子ども向け:おもちゃ、自転車、チャイルドシートなど 。
認証プロセス
- 製品カテゴリー判定
- テスト実施:韓国内または認定ラボでの検査
- 工場審査(Type 1のみ)
- KCマーク取得と認証書の発行
- 年間検査や証明更新が必要
※KCなし商品を販売すると、通関で差し止め・リコール・罰金のリスクあり
KCマークの種類(Type 1〜3)
KCマークには規模やリスクに応じて主に3つの種類があります:
タイプ | 名称 | 内容と特徴 |
---|---|---|
Type 1 | KC Safety Certification | 製品テスト+工場審査あり。最も手間がかかるが安全性は抜群。 |
Type 2 | KC Safety Confirmation | 製品テストのみ。工場審査不要で中程度の負担。 |
Type 3 | Supplier Declaration of Conformity | 製造者自己宣言+テスト。手続き最小限で製品によって対象。 |
※つまり、安全性が高く、かつ規模が大きい製品ほど “Type 1” に分類され、審査が厳しくなります 。
取得プロセス(全タイプ共通)
- 書類準備
申請書、会社登録証、製品マニュアルや技術図面(韓国語必要)、主要部品リストなど - 認証機関への登録
KATSの下で、KTL/KTR/KTCなどの認定機関に申し込み - 工場審査(Type 1のみ)
品質管理体制のチェック - 製品テスト
韓国内または協定.labで安全性・EMCなどの試験 - 書類審査&認証発行
KCマーク付き認証書が下りたら、マークと証明情報を製品に表示
費用イメージ
費用は製品カテゴリ・テスト内容・タイプによって異なりますが、目安は以下の通りです jjrlab.com:
共通費用項目
- 製品テスト:製品により数十万〜数百万円
- 申請手数料:約110,000 KRW(≒11,000円)
- 工場審査(Type 1):初回約700,000 KRW(≒70,000円)、年次審査は約650 USD(≒85,000円)
- 定期テスト・再申請:70,000 KRW程度/回
総額目安(例)
- Type 2(テストのみ):製品単価やテスト項目次第で 50〜200万円程度
- Type 1(工場審査含む):150〜300万円+年次審査費用
※認証失敗した場合の再テスト費用は別途かかります。
取得期間
- Type 3/2:最短 3〜4ヶ月程度(テスト+審査)
- Type 1:4〜5ヶ月程度(+工場審査)
実務上のポイント
- IECやCB証明があれば工数削減:すでに国際規格の証明があれば、テスト時間や費用を抑えられる案件もあります。
- 韓国語書類が必須:マニュアルやラベル、申請書は全て韓国語併記が求められます。
- 年次審査・再認証の準備も忘れずに:Type 1は年次、他も製品改良時に再申請が必要です。
② 電子商取引における返品・返金義務
韓国のEC返品ルール概要
「電子商取引における消費者保護法」により、オンライン購入の商品は原則7日以内に返品可能です 。
- 消費者の都合による返品は7日以内に受付
- 事業者負担の返送料は消費者負担(ただし不良品の場合は事業者負担)
- 不良品・説明と異なる場合は 30日以内または認知後3ヶ月以内に返品・返金請求が可能
返金のタイミング
- 事業者は消費者から商品返送を受けてから3営業日以内に返金対応
- 指定期間を超えると年率40%以内の延滞利息が発生
- クレカ決済の場合は事業者は決済業者へ返金依頼し、業者が消費者へ返金
まとめ表
項目 | 内容 |
---|---|
KCマーク | 必要商品:電子機器/家庭用品/子ども向け 認証ステップ:テスト→(工場審査)→マーク表示 違反リスク:差し止め・リコール・罰金 |
返品・返金義務 | 消費者は7日以内返品可能 事業者は検品後3営業日で返金 返送料は通常消費者負担だが、不良品は事業者負担 |
まとめ
- 商品カテゴリを最初に確認
- KC対象商品なら最優先で認証準備を
- 認証代行業者や検査機関を活用
- 韓国語や現地対応が必要なため代行が現実的
- 返品ポリシーの明示徹底
- ECサイト上で「返品可能期間」「送料負担」を明示してトラブル回避